競艇の安定板とは?レースに与える影響や予想のポイントまで徹底解説!
競艇(ボートレース)で度々目にする「安定板」という言葉。
その言葉の意味や、レースに及ぼす影響を知らない方も多いでしょう。
ただ予想する上で「安定板」は非常に重要な要素です。
そこで競艇戦線が、安定板が付いたレースの特徴や予想のポイントを徹底解説します!
本記事を読めば、また1つ予想のレベルが上がるに違いありません!
日本モーターボート競走会に就職し、審査員を経験。その後、競艇予想屋に転身すると同時に、予想サイトの闇を暴く活動に従事。その活動が認められ、戦線グループに仲間入りした。
競艇の安定板とは?
安定版とは、荒天候や波が高い時にモーターに装着するパーツです。
その名の通り、安定板を装着するとボートが安定し、転覆や落水などを防いでくれます。
原理としては・・・
安定板を付けると、ボート全体と水面の接地面積が広がります。
接地面積が広がることで、浮力が上がる上に、重心も中央に移動。
これによって、舟先が上がりにくくなるのです。
(モーターが後ろに付いていることから、ボートの重心は後ろに位置します。よって、そもそも舟先が上がりやすい構造です。)
安定板の基本情報は?
安定板を付ける理由が分かったところで・・・
安定板の基本情報について、深堀りしていきましょう。
- 風速6m以上吹けば安定板が付く
- 形状はU字型
- 使用が最も多いのは江戸川
では1つずつ見ていきましょう。
風速6m以上吹けば安定板が付く
安定板を付けるか否かは「競技委員長」が判断します。
「風速」「波高」「天候」といった基準は無く、あくまでもその時の状況次第。
ただこれまでの傾向を踏まえると、風速6m以上の際は、必ず安定板が付きます。
安定板の装着が決定されると、現地ではアナウンスがあり、出走表には「安定板使用」という文字が入ります。
また安定板の装着は全艇が統一のため「◯号艇のみ安定板使用」なんてことはありません。
悪天候の際、水面が荒れている際は、安定板が付くかどうかを必ず確認するようにしてください。
安定板はU字型
安定板は、U字型の鉄板です。
大きさは幅16センチメートル、長さ41.5センチメートル、厚さ4ミリメートルあり、総重量は480gほど。(競艇場によって多少の変動あり)
装着方法は、ボートの接水部分に差し込んで固定するだけです。
装着はものの1分ほどで完了します。
比較的、軽くて小さいパーツですが、選手の乗り心地やスピードに大きな影響を及ぼすのが特徴です。
安定板の使用が最も多いのは江戸川
2022年4月1日~2024年3月31日までの2年間で、安定板が付いたレースは7,647回ありました。
全レースが110,474回だったことを踏まえると、全体の約7%のレースで安定板が使用されています。
その中で、競艇場別の安定板が付いたレースの回数を見てみると・・・
1位 | 江戸川 | 1681回 |
---|---|---|
2位 | 若松 | 552回 |
3位 | 三国 | 519回 |
4位 | 桐生 | 515回 |
5位 | 津 | 513回 |
江戸川がずば抜けて多いことが分かりました。
江戸川は年中風が強く、波も荒れやすい、まさに「難水面」。
そもそも「安定板が付く回数が多い=水面が荒れやすい」ということなので、当然の結果ですね。
江戸川で予想する際は、安定板が付いているかどうか必ず確認してください!
安定板を付けるとどうなるの?
悪天候時のレースで選手を守る「安定板」ですが・・・
そもそも安定板を付けると、何がどう変わるのか。
安定板を付ける効果やレースに及ぼす影響について、以下の3つをご紹介します。
- 舟先が浮かない
- スピードが落ちる
- 選手は調整が必要になる
では1つずつ見ていきましょう。
舟先が浮かない
水面が荒れていると、ボートと水の接水時間が少なくなるため、安定感がなくなります。
その上、風が強いとボートが風に煽られて舟先が浮いてしまい、非常に危険です。
そこで安定板を付けることによって、水面との接水面積が広がり、水面で踏ん張ることができます。
実際に「安定板が無かったらバク宙してた」なんて選手の声を聞いたことも・・・(笑)
安定板は、選手の安全のためには必要不可欠なパーツです。
管理人のひとこと
スピードが落ちる
安定板を付けると、その分ボートが重くなります。
加えて、水に対する抵抗も大きくなるため、プロペラの回転数が減少。
プロペラの回転数が少なくなると、モーターのパワーが下がるため、スピードは低下。
特に、伸び足が悪くなる(トップスピードが落ちる)と言われています。
そのため伸び足型のモーターは、大きな影響を受けてしまいます。
伸び足が無いと、インに締めれなくなり、外枠からのまくりは決まりづらくなるでしょう。
選手は調整が必要になる
安定板を付けるとプロペラの回転が落ちるため、選手は調整が必要です。
安定板が付いたときの調整ですが、多くの選手がチルトを上げます。
チルトとは、ボートにモーターを取り付ける角度のことで、チルトを上げると最高速度が上がります。
つまり、安定板によって落ちたスピードをチルトで補っているのです。
ただチルトを上げると安定感が落ちてしまうため、プロペラで調整するのが理想ですが・・・
安定板の着用は、レース当日に言われることが多く、プロペラの調整では間に合わないそうです。
そのためチルト以外の調整は仕上げきらなかったり、ぶっつけ本番になることも。
安定板が付いたレースの予想をする際は「チルトの角度」「選手の調整力」にも注目してみてください。
安定板が付いたレースの特徴は?
安定板を付けると、スピードが落ちることが分かりましたが・・・
実際に安定板が付いたレースでは、どのような傾向・特徴があるのか。
ここでは、安定板がレースに及ぼす影響やレースの傾向についてご紹介します。
- モーター性能の差が少なくなる
- インコースが有利になる
- レースが荒れやすい
では1つずつ見ていきましょう。
モーター性能の差が少なくなる
安定板を付けると「モーター性能の差が小さくなる」と言われています。
先程、解説した通り、水面との接地面積が大きくなる分、抵抗力が増えて、スピードが落ちます。
初速〜加速にかけては、モーター自体のパワーに依存するのですが「最高速度(伸び足)」に達した際の差は・・・
素人で顕著に分かった機力差が、プロでも「何となく分かる程度」に。
ただ、選手によっては「モーター性能の差が開く」「悪いモーターはより悪くなる」など、意見が分かれることも。
石川真二選手は、以下のように話していました。
安定板を付けると精神的に安定します(笑)ただ回転数が落ちるので、悪いエンジンの時はちょっと悪くなる気がします。良いエンジンの時は影響が少ない気がします。ただ波がある時に付けるので、差があるがどうか分かりにくい(笑)エンジン差は開くだろうけど、それどころじゃない(笑)
安定板使用のレースは、モーター性能なんて気にしていられないとのこと。
結局のところ、伸び足が出にくくなるのは事実ですが・・・
実際に使わないと分からないので、展示航走を見て判断する必要があります!
インコースが有利になる
安定板が付くと、外部要因を除けば「インコースが有利」となります。
伸び足が出にくいということは、最高速度の差が生まれないということ。
この場合、スリットさえ揃えば、他艇よりも前に出るのは難しいです。
となると、まくりを仕掛けにいく、外枠にとっては死活問題。
5〜6コースになってしまうと、内側を付く「差し」に入れるスペースなんて、ほぼありません。
安定板はモーターの下部に取り付けられるU字型の板で、取り付けることによってボートの安定を図るのが最大の目的。装着するとトップスピードが落ち、まくり切るのが難しいためにインが有利といわれている。
引用:ボートレース公式
ボートレース公式が言及している通り、理論上「インコース有利」となります!
レースが荒れやすい
前で「インコースが有利となる」と言いましたが・・・
安定板が付いたレースは「荒れやすい状況になっている」のは忘れてはいけません。
安定板の有無による、各コースの1着率を比べてみると・・・
全レース平均 | 安定板付き | |
---|---|---|
1コース | 54.3% | 49.7% |
2コース | 13.9% | 15.6% |
3コース | 12.7% | 13.3% |
4コース | 11.0% | 12.2% |
5コース | 6.0% | 6.5% |
6コース | 1.9% | 2.7% |
安定板が付いたレースの1着率が約4.6%も下がっています。
そもそも強風や高波で水面が荒れている外部要因を踏まえると「インコースが強くなる」とは言えません。
実際に、直近2年で安定板が付いたことで、1コースの1着率が上がった競艇場は「多摩川」「江戸川」「住之江」の3会場だけ。
インコースが強い「徳山」に至っては、9.8%も下がっています。
外部要因を除けば「安定板使用のレース=インコース有利」となるのですが⋯
総合的に踏まえると「安定板使用のレース=荒れる」となるので、しっかりと押さえておきましょう。
安定板使用のレースの予想のポイントは?
安定板使用のレースは、インが有利となるものの、荒れる展開は変わりません。
めちゃめちゃ難しい・・・(笑)
そこで「安定板使用」のレースを予想する際の、ポイントや注意点をまとめました。
- 前日の展示タイムと比較する
- ベテラン・地元選手の信頼度を上げる
- 選手のコメントに注目する
- 競艇予想サイトを使う
では1つずつ見ていきましょう。
前日の展示タイムと比較する
展示タイムとは、展示航走2周目のスタートライン延長線から第2ターンマークまでの150mを計測した時間。
このタイムが良いほど、直線でのスピードが速く伸び足が良い艇と言えるため、非常に重要な要素です。
そこで、安定板がついたレースでは、前日の展示タイムと今日の展示タイムで、0.1秒以上差があった選手の信頼度を下げてください。
この節の湯川選手は、安定板の有無で展示タイムが0.7秒も差があります。
事実、安定板が付いたレースでは6着と凡走。
正直、ここまで展示タイムが遅くなるのは珍しいですが・・・。
展示タイムの差が0.1秒を超えていれば、影響を受けていると判断して良いです。
展示タイムはレース直前の情報なので、必ずチェックしてから買い目を決めるようにしてください。
ベテラン・地元選手の信頼度を上げる
次に、ベテラン選手や地元の選手の信頼度を上げてください。
ベテラン選手は、安定板を装着した際の「調整方法」「走り方」「戦略」などを熟知しています。
特に、急に安定板が付いたレースは、急ピッチでの調整が必要になるため若手は仕上がりきらないことが多いです。
また地元選手は、当然ですが地元の水面に慣れています。
そのため安定板が付くような荒れ水面でも、対応しやすいでしょう。
特に、安定板使用のレースが多い江戸川に所属している選手は、荒れ水面に慣れているため要チェックです。
管理人のひとこと
選手のコメントに注目する
選手のレース後のコメント・レース直前のコメント(ピットレポート)も必ずチェックしてください。
このように「無い方が良い」「安定板にも合ってきた」といった、安定板に触れたコメントが多いです。
選手の安定板に関するコメントから分かることは、主に2つ。
- 安定板を付けた影響
- 整備の状況
安定板を付けたことによる影響は、多くの選手が言及します。
例えば「安定板が付いて明らかに回転が落ちた」といったネガティブなコメントから・・・
「安定板が付いても変わらず伸びている」といったポジティブなコメントまで。
反対に、安定板について触れていない選手は、そこまで影響を受けていないことが分かります。
次に、選手は整備の状況にも言及することが多いです。
例えば「ペラを大幅に叩いたから安定板が付いても伸びるはず」であったり「影響がないから何もしていない」など。
このような、実際に乗っている選手の感覚は、予想において非常に重要な要素です。
安定板がレースに与える影響は、各選手のコメントから判断できるでしょう。
競艇予想サイトを使う
安定板が付くほどの荒れ水面のレースは、予想が非常に難しいです。
そこで、プロの予想を参考にしたいという方は「競艇予想サイト」を利用してください。
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このレース見解では、なかなか気づけない「選手の体重」に注目していますね。
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まとめ|競艇の安定板
今回は競艇の「安定板」についてご紹介してきました。
- 安定板は荒天候・荒れ水面の際に装着する
- 装着する理由は「選手の安全のため」
- 安定板を付けるとスピードが落ちる
- 安定板使用のレースは荒れやすい
- 安定板使用のレースでは「展示タイム」「ベテラン・地元の選手」「選手のコメント」に注目
安定板は、悪天候でも選手が安心し、思い切ったレースをするために必要不可欠なパーツです。
ただ、安定板はレースに様々な影響を及ぼします。
まず「天候が悪い」「水面が荒れやすい競艇場」の際は、安定板が付くかどうかを確認し・・・
安定板が付いたら、展示タイムや選手のコメントを確認してから予想してください。
しかし、安定板が付くような荒れ水面のレースは、予想が非常に難しくなります。
そんな難しいレースでは、競艇予想サイトも参考にしてください。
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